[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「雲水、いる?」
「桜庭、どうした?」
「ンハーッ、ラバじゃん。なに、なに?差し入れ?」
「お前にじゃないよ、水町。相変わらず馴れ馴れしいな」
「俺とラバの仲じゃん。で、何?食い物?」
「まったく。じゃあ、外にもあるから持って来いよ」
「ほいほーいっ」
「なんだ桜庭、その箱は」
「雲水がこの前、新しいウィダーゼリー飲んでみたいって言ってただろ?俺、この前CMの契約もらってさ。アメフト選手が毎日飲んでるって宣伝になるからって山ほどもらったんだよ。王城だけじゃさばききれないから、おすそ分け」
「進がいるだろ。足りないくらいじゃないか?」
「あいつは決まったのを決まった順に飲むから、新製品にはあんまり手を出さないんだよ」
水町が次々と箱を中に運び込む。
「こんなに…悪いな」
「どういたしまして。多かったら、最京にも分けてやって」
「ああ、阿含も喜ぶ」
「えっアゴンヌって喜ぶの?」
「?喜ぶぞ」
「どんな風に?」
「…普通だ」
「阿含って普通じゃないから、「普通」って言われると想像しにくいなぁ」
桜庭のセリフに水町も頷く。
「そう言われてもな。そうだ、あいつにこれを取りに来させるか」
雲水は携帯を取り出した。
30分後
「来てやったぜ」
部室に現れた阿含は一人ではなかった。
ベージュに深緑の線が入った作業服を着た宅配員をつれている。
阿含が雲水に示された箱を顎で指し示すと、青い顔をした宅配員は何も言わず4箱ほど抱えて出て行った。
「わざわざ宅配を頼んだのか」
「バカか、てめぇ。俺一人で運ぶ方が手間だろうが」
「そうか。そういえば、そうだな。悪かった。お前のことしか考えてなかった」
「…バーカ、たまには脳みそ他の事に使え」
阿含は言いながら雲水の肩を抱き寄せ、少し髪が伸びてきたこめかみの横にキスをした。
雲水を離すと、部室から出て行く。
阿含を見送って、雲水は大人しく椅子に座っていた二人を振り返った。
「喜んでいただろう」
机に肘をついて成り行きを見守っていた桜庭と水町はそろって首を傾げた。
「確かに喜んでいたけど…」
「俺らが言ってるのと違わなくね?」
二人のセリフに雲水も首を傾げた。
「そうか?」
桜庭と水町は顔を見合わせて肩を落とした。