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Ah. Christmas (試合観戦2・陸)

今年のクリスマスボウルも帝黒対神龍寺の伝統の決戦だ。
俺たちは雲水さんに続いて神龍寺側のスタンドに入った。
100人超の鬱金色の道着が中心に集まって座っている。
後ろから見ただけでもすごい圧迫感だ。
雲水さんは彼らの目をを避けるように、スタンドの後方を進んでいた。
俺たちも続く。
しかし鬱金色の中の一人が偶然後ろを振り向いた。
そいつが慌てた様子で周囲に声を掛ける。
すると、一斉に神龍寺の応援団が立ち上がり、俺たちの方を振り向いて左掌に右拳を合わせる独特の作法で頭を下げた。
ザッという音に合わせて風が起こったかと思うほどの勢いだ。
雲水さんは苦笑しながら立ち止まって同じ礼を返すと、解散という風に左手を振った。
神龍寺の連中はその合図で座ったけれど、視線をちらちらと雲水さんに送っている。
こういう集団の規律を見せられると、神龍寺はさすがだと思う。
西部はどちらかというと自由だったからなぁ。
「なーに?あれ」
「コワイぃ」
俺の後ろを歩いていた女の子達がヒソヒソと言葉を交わす。
ああ、女子にはそういう風に思われるのか。
男子校ってちょっと辛いな。
俺はかっこいいって思ったけど。
大集団の敬礼を片手でいなしてみたいよなぁ。

雲水さんは結局神龍寺応援団から距離を取って席を決めた。瀬名、鈴音、モン太を前に座らせて、コータローさんと栗田さんと並んだ。
俺と水町はその後に座る。
俺についてきた女の子たちは俺の後ろに並んだ。
「たまに説明してね」
一人がそう言ってきたので、
「ああ」
と頷いておく。
「陸、陸、すげぇじゃん。モテモテ?」
水町が俺に耳打ちしてきた。
否定するのもおかしいけれど、単純に頷きにくくもある。
俺は黙れ、という意味を込めて水町の鳩尾に肘を軽く当てた。

 

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