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陸に睨まれたので、肩をすくめてみせる。
怒っているわけじゃなさそうだなー。照れてる?
ちらりと後を盗み見ると、女の子たちは陸をじっと見ていた。
絶対、アメフト興味ないだろ。
あー俺も「一緒にアメフト観に行こうよ」って言えばよかったな。
陸ばっかもててるみたいじゃん。
って、あの子たちは俺が本命じゃなかったか。こんな寒いトコ、俺が誘っても来ないかも。
乙姫先輩たちは冬場のシーズンでもあんな薄着で応援してくれてたんだなぁ。
体動かすから暖かい、って言ってたけど。
俺たちが試合している間はチアないから寒かったんじゃねぇかな。
そんなこと、考えたことなかった。
この間も乙姫先輩のチア、かっこよかったな。今度会ったとき、そう言お。
「雲水さーんっ」
この声は。
やっぱり細川一休じゃん。お、阿含も一緒だ。
一休は軽く俺らにも挨拶してくれたけど、阿含はなんにも言わずに雲水の横に座った。
「来たのか」
「ああ゛?来ちゃ悪ぃのかよ」
「予定があるって言ってなかったか?」
「てめぇこそ黙ってやがったな」
「何を?」
「カス共と飲むなんざ聞いてねぇぞ」
「試合観戦と飲み会はセットでヒルマから案内が来ていたぞ。お前だって直接ヒルマ達から聞いてただろ」
阿含が雲水を睨んだのが見える。
黙ってゴロンと膝に横になった。頭は雲水の太ももに乗せて。
・・・アゴンヌ、パーティのこと教えてもらえなかったのかな?カワイソー。
それにしたって、スタンドのベンチって寝心地悪くねぇの?
普通に座ってた方が楽だけどなぁ。
寝ると寒くて死んじゃうかもよ。「寝るな、死ぬぞー」ってヤツ。
まあホントには寝ないだろうけどさ。
いろんな大学や高校が続々と集まってきて、挨拶したりしゃべったりしてたら、ようやく試合が始まった。
うー、サムサム。手袋してくれば良かったなー。冷えちゃったよ。
「雲水さん、神龍寺のQB、控えじゃないですか?」
出てきた選手を見て陸が前の座席に乗り出した。
「関東大会の決勝で少し捻ったそうだ」
雲水が体を捻って陸に返事をする。
陸の視線がフィールドじゃないところでちょっと止まった。
それから慌てたみたいに目をそらす。
なになに?なんかあった?
俺もちょーっと背を伸ばして雲水をのぞき込んだ。
体を向けてる反対からだから気づかれないはず。
背中からのぞき込んだら、雲水が両腕を自分の腿の上でそろえているのが見えた。
でも、手の先はアゴンヌの体に隠れている。
あ、雲水、アゴンヌの下に手を入れて暖めてんだー。
そんでアゴンヌ寝転んだのか。
なっかいーんでやんの。